sora-niwaの家

建設地は山々に囲まれた田園風景が美しい集落。田舎風の母屋に後から納屋を増築した住まいで、当初は母屋部分を改修したいというご要望でした。しかし母屋には床の沈下や傾きがあり、建物をコンパクトにした新築案と比較検討した結果、母屋部分を新築として既存納屋と繋げることになりました。新築計画のポイントは、美しい田園風景を楽しめる場所に「囲炉裏の間」を設けたこと。敷地は田畑より高い位置にあるのですが、さらに見晴らしを良くするため「囲炉裏の間」を中2階の高さまでもち上げました。その階下は外部で薪置場となっています。また、この「囲炉裏の間」に面して同じく中2階の高さに中庭を設け、お住まいのいろんな場所からこの中庭を楽しめる造りとなっています。じつは「囲炉裏の間」の出入り口は、この中庭にしかありません。つまり外部空間である中庭を経由しなければ「囲炉裏の間」へは入れないのです。建物としては一体の造りですが、人の動きからするとそこはまさに「離れ」。この宙に浮かせた「離れ」へ入る前に、一度ソトを体感することで「四季の移ろい」を肌で感じていただく。美しい里山の風景を眺めながら「囲炉裏の間」で傾ける盃は、また格別な味わいに感じられることでしょう。