野田市兵衞商店

2018年 熊本市

熊本市の中心部にあり、明治末(約110年前)の建物です。

平成28年熊本地震で被災したのですが、その後当事務所へ災害復旧工事の依頼があり、改修設計・工事で約2年半の時を経て2018年末に竣工しました。

もともとは商家ですが、被災前は野田市兵衞商店の事務所として使われていました。今回の復旧工事も、同じく事務所として活用することを前提としています。

復旧においては、地震でダメージを受けた建物部分に、4種類の補強方法を使い分けました。地震に対する耐力壁として、「板倉工法・構造用合板・筋交い」を混在させて使用。それと同時に、既存の太い柱や梁が交わる木構造の重要な接合点(仕口)を「耐震リング」で補強。

地震に抵抗する壁を増やすこと。耐力壁だけでなく、在来木構造の重要な仕口に粘りを兼ね備えた補強を行うこと。

古民家の耐震性については、この2点が重要だと考えています。