新設の認可保育園で、計画地は東西に細長く南は住宅地、北は玄界灘の強風を遮る防風林の丘という条件でした。住宅が近いので、園舎の防音対策については設計段階から近隣住民との意見交換会を行いました。防音の具体策としては、建物北側(松林側)に保育室を配置し、南側(住宅側)に廊下や水廻りをとることで、保育室からの音を減衰させるゾーンを設けたこと。それと住宅側の外部フェンスを防音フェンス仕様としたことです。すでに保育園の運営は始まっていますが、近隣からの苦情はありません。また保育室を北側に計画することで、2階保育室のバルコニーから直接松林へ下りることもできます。この松林も将来的には園児らの「アスレチックの丘」として整備されることでしょう。強風時には松林の葉や折れ枝が建物屋根に落ちてくるため屋根はフラットルーフとし、2階バルコニーから屋上へ上る点検用階段を設けています。また海が近いので塩害対策として建物上部に庇をまわし、塩分を含んだ雨水が直接外壁に当たりにくくなるよう工夫しています。